【 2002年 産業音楽祭コメント 】

●演奏曲:「指輪物語」より第5楽章「ホビットたち」/デメイ作曲

<審査員 箕輪響先生のコメント>
・合奏音がにごっている
・ffのバランスに気をつけて下さい
・Horn、良く響いています
・ホビット=楽しさ
・低音の響き、クラの表情よい
・付点4分+16分のリズム固めに
(堀内註:上記リズムを3連符の2つと1つのように吹いていると
いうこと。確かに186小節目からの低音の旋律がそう吹いてしまって
いますね。要注意!定演では直しましょう!)
・接続音のブレス!
(堀内註:これは冒頭の低音の伸ばしについて)

<審査員 山口進一郎先生のコメント>
・基本的に良い演奏だと思います
・メロディーラインを音楽的に演奏する様心がけましょう
 少しリズムを合わせるのに重点をおきすぎる様に思います

<客演指揮者 松井先生のコメント>結構長いでーす!(^^;
 先日の産音では皆さんお疲れ様でした。
パンフレットの言葉通り、まぐれでなかったことが証明されて良かったと
思います。

では、次の定演で、より完成度の高い演奏へ繋がる様にと、願いを込めて、
出来が良かった所と、そうでなかった所を並べて言葉にしました。

頭は指摘を受けたとおり、付点八分と十六分音符の間ががばっと開いてしまい
ましたね。

※以前にも言いましたが、息にスピードをつけすぎると、音が明るくなり
 すぎると同時に、ブレスの瞬間にガバっと間が開くか、ブレスの回数が
 増えるので、ゆっくりとした暖かい息で行うと音がやや暗くなり、場面
 にマッチするし、又、息がすぐに消費されずに十六分音符ぎりぎり迄、
 もつのではないでしょうか。
 そして、今後、ロングトーンをしながら瞬時にブレスを取るという訓練
 をしておけば良いと思います。ここではEuphの音色が柔らかくてよかっ
 た。7小節目のHrはもっとクリアーに吹いたほうが良かったですね。

 8-14にかけて、メロディラインは良かったけれども、低音の音程が定ま
 らなかった。特にDの音程が前日にはもっと上手くキャッチしていたのに、
 当日は、残念...

 12〜Trb、本番前日に飲むなとは言いませんでしたが、当日に青い顔で
 本番に臨むのはいかがなものかな?もう一度のチャンスではバッチリと
 決めてください。ここがカッコ良く決まんないと、14の入りに影響を与
 えてしまうよっ。
        ↓
 14の入り、影響を受けてかどうか、Trpの入り、欲しかった。少しタイ
 ミングがズレましたね。
 こういった場面では、ついつい力んでしまうものです(1発目の音です
 もんね。)
 力むと出が遅れがちになるので、脱力〜。
 又、14〜4小節目迄拡がりをkeep出来なかった。
     ↓
 音は大きくて、スピード感があったのだけれども、音楽のスケールが
 やや小さくなってしまったのは惜しまれる。

 15〜 低音の粘り不足により、音楽がやや軽くなってしまった。
    特にB.Trb

 19〜 木管の動き、本番でもここが一番上手く行くかどうか、心配する
    所でした。今回は明らかに練習をしてきてスムーズに美しく描け
    た人と、ぎりぎりの人とに差が出ましたね。

 23〜 4小節はうまく行きましたね。
    しかし、5小節目以降、いきなり加速してしまいました。
    あと、ここの形は、マーチの形に似ているけれども指定のテンポ
    が96なので、あまり速くならない様にして、マーチと区別しま
    しょうと伝えたのですが、”案の定”講評で指摘されましたね。
    もう1度、どうやったら、”小人の音楽”っぽく表現出来る様に
    なるか、皆で考えましょう。

    ※本番中、私は、56あたりでえらい事になったなぁ。こんな
     テンポ練習でも体験が無いぞって位加速しているなぁと感じ
     つつ、HrやTrbへ、もうこれ以上速くなるなぁってサインを
     出しまくりました。
     けれども、皆さん、沢山練習したおかげで、そんなに乱れる
     事は無かったが、野性味たっぷりの小人になってしまった(苦笑)。
     また、Trb 72〜、Cl 80〜もこのテンポでよくくらいついて
     頑張った。

 91〜 ffだけれども暖かみのあるサウンドで良かったと思う。
    ※同じffでも194とは音の中心点が違うという事を感じましょう。

    が、Clの絶対数の少なさで、こういう所の幅の広さが出てこ
    ない。
          <Symphonicさのイメージ図>
        /\  Cl         /\  高音
       / ̄ ̄\ 高音・中音     / ̄ ̄\ Cl・中音
      / ̄ ̄ ̄ ̄\低音       / ̄ ̄ ̄ ̄\低音
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       (現在)        (Symphonicなイメージ)

    ※今回、決してClが悪い訳ではない。

 119〜 Hr良く頑張っていましたが、もっと太い音で、どっしりと演奏
    できると、もっとツボにはまった感じになると思います。

 131〜 講評でもCl褒められてましたね。
    ここは、いつも丁寧に決まっていたので、とても良かったと思い
    ます。(F.Hrも滑らかでのびのびとしていた)

    C.b.のpizzもとても良かった。いつもClの方向を向いて棒を
    振っていたにもかかわらず、練習の時から良く合わせてくれて
    いて、本番でも練習通りに良くやってくれた。

    Fl,Sax,Hr,163の前のobも美しく、ハーモニー感も出てまとまって
    いました。

 163〜 フレーズ感は良かったが、バランスが悪かった。リピート後も
    木管が金管に完全に消されてしまいましたね。低音の支えが
    良かったので、音楽の流れも良かったと思う。

 186〜 32分音符が、かなり甘くなってしまっていたのと、フレーズが
    こじんまりとしてしまいました。
    (堀内註:16分音符では?(^^;でも明らかに動きが違います。
         低音旋律を3連符で吹いてませんでしたか?)
    息の流れを感じる事と共に、リズムが楽譜通りに出てくる様に
    心掛けましょう。
 190〜 とても美しく安定していましたね。
    普通、こういうところが一番ギクシャクして、不安定になり
    やすいのですが、普段の行いが良いからでしょう、いつも
    通りにロマンチックに柔らかく演奏されましたね。
    それと194との対比が見事にマッチしたのが、とてもインパクト
    があったのでは、と思いました。

    194前のPiccのリズムの切れが良かったし、低音とのコンビ
    ネーションが良く、194へと繋がったのが良かった。

 194〜 先ず、反進行(堀内註:サックスとかの順々と音が下がって
    いくパート)が決まって、とてもエネルギッシュに、重厚に、
    この曲のクライマックスが決まりましたね。中でもPercが
    良かった。Bellの音の良さ、S.Cymのタイミング、ボリューム
    の良さ、Timpの力強さが堂々として良かった。

 210  前後と216のアフタクトは怪しかったですねぇ。

 210〜 全員で低音の鼓動を聴くことが出来、掴んでいたので、安定して
    いた。そして、最後〜3小節間が乱れる事無く、ピターと歩調が
    合っていた。サスガでした。
    途中、まぁ色々とありましたが、最後は一件落着という事でしたね。
    お疲れ様でした。

<コンマス 角田さんのコメント>
皆様お疲れさまでした。

今回は連続して大賞を取れて本当に良かったですね。
今後は、2年連続の委員長賞をもぎとった日立ソフトウェアと、
合唱と一緒の日なのに委員長賞をさらっていった東京ガスと、
にどれだけ近づけるか、が目標になりますでしょうか。

さて、以下は3〜4年程前の産音で審査員にいただいたコメントです。
「金管は荒々しい。木管は弱々しい」
(角田注:打楽器も金管と同様だったと思われます)

上記コメントはTWEの「体質」そのものです。

今回の演奏ですが、やはりffの金管は荒々しかった(後半)ですね。
あまりオーバーブローしないように気をつけましょう。音程も音色も
悪くなりますし、アタックも汚くなります。
し、一方木管は弱々しいところが目立ちました。部室で録音したときに
大きく聞こえるからといって会場では安心できないことがわかってきま
したね。(かといって弱く演奏するところは守らないといけません)

上記、少し辛口で書いてみましたが、皆さんが気を配って演奏するように
なってきたことにより、以前に比べて「体質改善」がはかられてきている
ように感じています。
もちろん人数バランスという根本的に解決できないものもあるのですが、
体質改善はまだまだ可能と見ています。
来年の産音でもっと素晴らしい演奏ができると良いですね。

<団内指揮者 堀内のコメント>あい変わらず長くてすいません(^^;
 皆さん、産音お疲れさまでした。
2年連続「大賞」受賞!!!・・・ああ、なんて素晴らしい響きでしょう(^-^)
産音は参加することに意義がある(舞台慣れのために)、という感じだった数年
前を思えば、信じられないことです。感無量ですねぇ・・・(;_;)うるうる

これで、選曲さえ間違えなければ(^^;、そしてメンバー1人1人がちゃんと努力
をすれば大賞を取れるバンドになった、と胸を張って言えるようになったと思い
ます。皆さん、ほんとによくがんばりましたね(^-^)。

今年の曲は昨年の「祝典のための音楽」とは違った選曲となりました。昨年は
テクニカルな曲で、何しろ指を回して(腕を動かして)個人練習を積んだ上で、
縦の線を揃えることが重要でしたが、今回の「指輪物語」は美しい響きをいかに
して作り出すかというトータルサウンドで勝負しました。まだまだ完璧ではあり
ませんでしたが(^^;、この「美しい響き」が決まる部分が増えたことが今回大賞
を取れた理由だと思います。まさにメンバー全員の力で獲得した大賞だと言える
と思います。この意義はとても大きいです(^-^)。

打ち上げの席では、多少個人攻撃もしてしまいましたが(^^;、今回の演奏につい
て、この部分をこう演奏して欲しかった、というような細かい反省はありません
(そうそう、8分音符とか16分音符のアウフタクトのタイミングを揃えること
は、これからも意識して集中して演奏して下さいね。あと、こう演奏するんだ、
という意図がメンバー全員で統一出来るように。回りと呼吸を合わせようとする
意識が大事です)。今回は楽譜を早いうちから手に入れて(八木さん、ありがと
う)たくさん練習してきましたし、本番前日の合奏で、ある程度仕上がっていま
したから(松井先生の言いたいこと、して欲しいと思うことはほぼ伝わっていま
したし)、まあ、舞台上で前日の合奏通りの演奏が出来なかった、ということ
が今回の最大の反省だと思います。

★そうなんです!!!「なぜ、委員長賞が取れなかったのでしょうか?」
残念ながら今回の演奏を聞いてみて「委員長賞はまだまだ遠いな(-_-)」という
ことも実感してしまいました。どうして、練習時にはほぼ9分34秒で出来てい
た演奏が、本番で8分55秒になってしまったんでしょう???(-_-;)
一応、以下に今回の演奏データを載せます。
(何小節目の開始時点で何分何秒だったか?というデータです。()内はその間
 の時間です。)

小節目→ 23     131    186    210   トータル
(前日) 1:22 (2:51) 4:13 (2:56) 7:09 (1:19) 8:28 (1:06)| 9:34
(本番) 1:17 (2:39) 3:56 (2:44) 6:40 (1:14) 7:54 (1:01)| 8:55

23小節目から明らかに速くなりましたが、実は131小節目からのテンポが速
かったことが全体時間に影響しました。松井先生も興奮されて(^^;指揮が速くなっ
てしまってましたが(私も舞台で指揮が速くなった経験があるので何も言えませ
ん(^^;)、皆さんもなんとなく煽られる感じで加速していってしまいましたよね?
特に23小節目以降がテンポ的に落ち着かないように感じませんでしたか?

今回、産音の舞台に上がって、これまで練習してきた環境とはまったく違う場所
にいきなりほおり出されました。自分の音の鳴り方も違うし、回りの音の聞こえ
方も違っていたはずです。舞台上の緊張感もあいまって、オタオタしてしまいま
せんでしたか?そんな動揺が曲の前半で出てしまいましたね。心拍数が上がると、
無意識に自分の中のテンポ感も速くなってしまいますので、気持ちのあせりとと
もにテンポが上がっていってしまって(-_-)・・・松井先生も途中から一生懸命テ
ンポをおさえようとしていましたが、ちゃんと先生を見れていた人が何人居たで
しょう?
どうなることやら(-_-;)とハラハラしましたが、皆さんはこれまでたくさん練習
を積んできましたから、どう吹くか、どう響くのが正しいのか、ということがあ
る程度身体に染み付いていましたので、美しい響きについてはなんとかキープ出
来ましたし、速いテンポでも、それなりに縦の線を合わせて演奏出来たと思いま
す。それが「大賞」まで届いた理由です。

★「委員長賞を取るためには?」
今回は、本当に良い経験が出来たと思います。皆さんも本番の時に感じたあの感
じ(環境が変わったことによる違和感と緊張感)をしっかりと心に焼き付けて下
さい。忘れないで下さい!!!

おかげで、「委員長賞を取るためにはこれからどうしたらよいか?」ということ
が少し見えたような気がしました(^-^)。先ほども書いたように、舞台の上では、
自分の音の鳴り方も違うし、回りの音の聞こえ方も違っています。でも、ここで
いろいろと考えてはいけません!!!オタオタしてはいけません!!!
どんなに環境が変わっても、普段練習していた時と同じ吹き方(同じ息の量、
同じ息のスピード、同じ息継ぎ等)で吹けば良いのです!!!
つまり、どの程度お腹を使ってどの程度の息を出しているか、どういった音色
でどういう音程で音を出しているか、といったことを身体に染み付けてしまう
こと、そして本番ではその染み付いた自分の感覚を信じて、気持ちを落ち着け
て演奏すること、それが委員長賞への道だと思います。

もちろん、会場に行って、その残響等を考慮して多少の調整は必要かもしれませ
ん。でも、それはあくまで微調整であって、基本はそれまでの練習で身体に染み
付いたものをそのまま演奏するということだと思います。「舞台に上がったら、
相当緊張するよなぁ。きっと心拍数が上がってテンポが速くなるだろうなぁ。
だからテンポが速くならないように気をつけなきゃ。」そう自覚して舞台に
上がることも大事ですね(^-^)。

舞台の上で緊張する心と身体を上手にコントロールすることが出来れば、必ず練
習通りの素晴らしい演奏が出来ます。セルフ・コントロールが大事ということで
すね。
考えてみれば、楽器を吹くこと自体がそもそもセルフ・コントロールですよねぇ(^^;
セルフ・コントロールに必要なこと、それは自信です。そして、自信をつけるため
に必要なこと、それはやっぱり1にも練習2にも練習しかないでしょう。
「あれだけ練習して、合奏でもほとんど成功してたんだから大丈夫!絶対出来る!」
と舞台上で思えるようになれば(自信が持てれば)本番でも成功間違いなし!

最近の選曲では、ソロ等の個人技よりもトータルサウンドで勝負する曲が増えて
います。というか、アンサンブルなんですから、それが一番大事ですよね。
個人個人の実力の向上(美しい音色、正しい音程、高度なテクニック)が、全体
のサウンドをますます美しい響きへと変えていきますので、これからも個人個人
で努力を続けて下さいね。楽器の向上に終わりはありませんから。

今回は舞台配置については何も文句がありません(^-^)審査員からも指摘されませ
んでしたし。セッティングに少し時間がかかってしまいましたが、これからもあ
のくらい慎重に配置決めをしましょう。音楽で勝負して、今回のように音楽に関
するコメント(アドバイス)をいただきたいですから。

皆さん、本当にお疲れさまでした。TWEはまた一歩、新しい世界に足を踏み入
れたと思います。これからもっともっと楽しくなるはずです(もちろん、厳しく
もなりますが)。次回定演および次回産音では、これまでの反省を活かして、ま
すます良い演奏をしていきましょう!
そしていつの日か、委員長賞ゲットするぞー!(^o^)/

P.S
大事なことを言い忘れてました。本番前日は、お酒を飲んでもいいですけど、翌
日の演奏に影響するような深酒はやめて下さいねー(もちろんハードスケジュー
ルも)。これ、基本ですよー。本番には最高の体調で臨んで下さい。身体は楽器
の一部なんですから。おーい、聞いてるかぁ、Y田(^^;

以上